夢ニッキ

ユメみた猫の話

フォロワーの部屋を訪ねる夢の話

フォロワーの家に向かっている最中だった。

駅近さんは私のフォロワーで、
夢の中の私は、何故か家を知っていた。
ある学生寮の2階に住んでいるらしい。

訪ねるに辺り、メガネをかけた男性も同行した。
知り合いだったような気もするし、
夢の中でそう思い込んでいるだけの
友人だった気もする。
とにかく私とメガネ君は、結構仲が良かった。

二人で他愛もないお喋りをしながら、
駅近さんが住んでいるビルまで歩いた。
ビルとビルの隙間に、少し窮屈そうに建つ
少し古ぼけた学生寮があった。

受付には管理人がいて、
1階に住む学生たちの騒ぎ声は凄まじかった。
入口の自動ドア辺りからでも
どれくらい騒いでいるのか、
十分伝わるほどの騒音だった。
それでもあまり不快な思いはしなかった。

毎日が文化祭のような彼らの騒ぎ声を聞いて、
学生寮というものが少し羨ましくなった。

2階に行こう。とメガネ君に声をかけ、
古びた階段をカンカンと登った。

1階の騒がしさが嘘のようだった。
お祭りが終わった後の静けさだけが2階にはあった。

2階の廊下には落ち葉が散乱し、
日が陰り、冬の昼間をイメージさせる
冷たさだけがあった。

よく見て見ると、2階のドアは
全て白いペンキで塗り固められていた。
白い壁一面に、銀色のドアノブだけが
等間隔に光っていた。


あまりの奇妙な光景に、
私とメガネ君は声が出なかった。
混乱しながら階段を降りた。
ここに体温を保つものが居てはいけない気がした。

学生寮から出ると、
何故かあたりは山の中だった。
地面はイチョウの落ち葉でいっぱいだった。
私とメガネ君はイチョウの絨毯の上に寝転んだ。
土と雨が降った後の匂いがした。

突然、どこからか花吹雪が吹いて来た。
メガネ君があっという間に
花びらに埋まってしまった。

紫陽花のような青紫の花で
すごく綺麗な花びらだった。
すごく綺麗だったから、
私はメガネ君から花を退けようともせず
ずっと花びらを眺めて居た。

メガネ君も同じ気持ちだったのかもしれない。
花びらを振り払わず、じっとして居た。
花びらの隙間からメガネ君の手の平が見えた。

駅近さんは本当はどこに居たんだろう。
それとも本当にあの2階に住んで居るのだろうか。

2018.09.28