夢ニッキ

ユメみた猫の話

魂の迎えを待つ3人の王の夢の話

今日はなんだか壮大な夢を見た。

完全にダークソウルだった。

私は一国の王だった。
銀の甲冑を着て、紅色のマントを羽織っていた。

国のために剣を振るい、民のために弓を弾いた。
朝も夜も延々と人を殺し、他国を破壊し、
死体の上を歩き、自らもまた死体になり、
気が付いたら古い古い館の一室にいた。

私の向かいには、他国の王がいた。
生前は善きライバル同士のような関係を築いていた。
闘いから解放された彼は、穏やかに笑っていた。


ブロンドの髪と、ブロンドの髭、
ブロンドの優しい眼差しと、
金の月桂樹の頭飾りをしていた。

彼は天に迎えられる刻が来たようだった。
館の中は、かなり暗いのに
彼の周りだけ、昼下がりの日向のように
輝き始めた。

彼は微笑みながら私に言った。
「いつか、君にもわかる日が来る。」
そう言って光の中へ消えて言った。

私には彼の言ったことがさっぱりわからなかった。
そして、私の迎えがこないことも何と無く分かっていた。
今思えば、私は生前の行いを悔いていたのだと思う。
国の為、民の為と闘った正義は正しかったのか。
私のやってきたことに意味はあったのか。
私は館の中で延々と考え続けていた。


ある日、突然見知らぬ男が館に現れた。
彼は私が死んだ後、王位を継いだ者のようだった。


二度寝をしてしまったから、
彼のことはあまり覚えていないが
私とは正反対で、陽気でおしゃべりな王だった気がする。

彼が来てからというもの、館の中は賑やかになった。
賑やかと言っても男2人だけだが、
私には久々の客人のように感じて本当に嬉しかった。

ある日、また1人館に現れた者がいた。
彼女は小さな小さな体に、覆い被さるような
深紅のマントを羽織り、これまた
大きな大きな王冠を被り、目には包帯を巻いていた。

彼女も私の血を引く王家の者のようだった。

彼女は控えめだが、優しい声をした
可愛らしい少女だった。
そんなに広くない館の一室は、
3人の笑い声で満たされた。
疑念や後悔でいっぱいだった心が、
いつの間にか、昔のように
あたたかなものに変わってきた。

そんな中、やっと3人に迎えがきたようだった。
王女が恥ずかしそうに
「どうしても杖がないとダメなの。」と申し出た。

気がつくと祭壇に炎が灯り、
私の剣、彼の盾、王女の杖が並べてあった。
そもそも暗すぎて祭壇があったことさえ知らなかった。

王女の杖の先は六芒星の形をしていて
とても美しかった。

「きらきら光らないとダメなの」と
困っていた王女に代わり、
星の各先端に炎を灯してあげた。

ここまでしか夢の記憶はないけれど、
きっと3人はあのまま光の中へ行ったんだと思う。
王様になったのは初めてだった。
久々に壮大な夢で楽しかった。

2017.05.07