夢ニッキ

ユメみた猫の話

祖母が亡くなって 2・3ヶ月後に見た夢の話

夢の中は3月か4月みたいな気候だった。

 
あたたかい日差しと肌寒い風が混じる中
桜がひらひら舞っていた。
音が全く聞こえず、物凄く静かだった。

私は祖父母の家に居た。
祖父母の家は門扉から玄関まで
ほんの少し距離があり
コンクリートの地面と桜の木と、
仕事用の小さな工場(こうば)があった。

コンクリートの地面の上に パイプ椅子を置き、
そこに母が座った。
銀色のお盆を両手で持ち、目を瞑っていた。

姉は母の前に立ち、 母の前髪を切っていた。
私はそんな二人をただ見つめながら
母に魂が入っていない事を感じていた。

母はほんの少しも動かず、
抜け殻の状態だった。
お母さんの魂を入れなくちゃと焦り、
お盆に水を入れた。

その途端、母が目を開けたので
ホッと胸を撫で下ろした。
母に魂が戻ったせいか
それまでの張り詰めた空気は解け
わいわいお喋りをしながら
母の髪を切る作業が再開された。

その時、祖父母の家の扉が開き
エプロン姿の祖母が出てきた。
母を見て「もう少し(前髪が)
短い方がいいんじゃない?」と言った。

空気が非常に暖かくなったのを感じた。
桜の花びらが際限なく降り続け、
 みんなの様子を
俯瞰で見ている景色になり目が覚めた。

そして声をあげて泣いた。
自分でもよく分からないほど
涙が次から次へと溢れ出た。

横で寝ていた恋人も
びっくりして飛び起きた。

恋人に心配をかけさせてはいけないと
嗚咽をあげながら「ちがう…
悲しくて泣いてるんじゃない…
そうじゃなくてね」と説明した。

恋人は「ああ分かるよ。
何か嬉しくて泣いてるんだね。
びっくりしたけど」と言った。
その通りだった。
分かってもらえて嬉しかった。

祖母は既に亡くなっていて、
会えないし、声も聞けない。
それってすごく怖いことだった。

忘れてしまうかもしれない。
 忘れてしまったどうしよう。
ずっと悶々とその事を考えていた。

そんな時、夢で初めて祖母が出てきた。
ああ、私は忘れてなんかいない。
きっとずっと忘れない。目が覚めた時そう思った。
 物凄く安心した。
そしたら爆発したように 涙が出てきてしまった。

それから度々祖母が出てくる夢を見る。
いつも元気でニコニコしてて、 すごく嬉しい。

祖母が亡くなって 2・3ヶ月後に見た夢の話。